Marina Louise Spectra

魔力変換機《Mana Conversion Gants》 / 装備

マリナが右手に嵌めている手袋。
魔力を伝えやすい特殊な繊維で出来ており、形状は指貫グローブに近い。
通常の指貫グローブと違い、人差し指の部分だけ覆われている。
また、甲の部分にはミスリル製の円形装置があり、緑色のクリスタルが嵌め込まれている。
緑色のクリスタル部分は伝説の魔具『エメラルドタブレット』の名前が付けられている。
円形装置とエメラルドタブレットの2つが、この装備の本体である。

この手袋は周囲の魔力、またはそれに準じる力を取り込み、マリナが一番扱いやすい性質に変換し、蓄積。
魔術を行使する際には蓄積された魔力を増幅させ、パワーソースとして活用することが出来る。
機械の電気回路的なシステムと魔法理論が組み合わされており、理論上は一度起動させたら半永久的に自動稼動を続ける。
また、起動自体には使用者の魔力を必要とするが、その時に消費する魔力は微々たるものとなっている。

現状は使用者がマリナのみなのでマリナの魔力に最適化されているが、魔力の性質さえわかれば他者の魔力に最適化することも可能。
なお、現在のVerは3.04。

精霊核 / 装備

直径5cmほどの水晶体で、形状は様々。
水晶体の中に特定の精霊のコアになる部分と、精霊が存在する法則を記録している。
そのため、その精霊が存在し得ない環境下であっても、精霊魔術を行使することが可能。
魔力さえあれば精霊本体も具現化することも可能となる。

本来は水中で火の精霊魔術を、密室で風の精霊魔術といった精霊がいない環境で、魔術を使えるようにするためのもの。
しかし、精霊が存在するために必要な法則が記述されているため、異なる法則を持つ異世界であっても、マリナの世界の精霊を使役することが可能となっている。
マリナは現在四大下位精霊の精霊核を所持している。

なお精霊核という技術は、マリナの師フォルトナが作り出したもの。

術胎書《Fixation》 / 装備

マリナの出身世界とは別の世界の魔法理論で作られている魔導書。
ある依頼を請けた時に訪れた世界で手に入れた。
右腰のブックホルダーに入れて持ち歩いている。

術胎書は所持者の経験、感情などを読み取り、所持者の性質に合わせたオリジナルの魔法を生み出す魔導書である。
マリナの持つ術胎書から産まれた魔法は『魔術の固定化』。
術胎書を通して発動させた魔術を保存・待機・維持させる効果を持つ魔法で、
術胎書に魔術を保存すれば任意のタイミングで発動させることが可能になる上、魔術を発動待機状態で空中などに設置することも可能となる。
この時、維持に必要な魔力は術胎書自体から供給され、マリナの魔力を使うことはない。

この魔法の真価は常駐・持続型の魔術を使った時に発揮される。
持続に必要な魔力は術胎書から供給されるため、術胎書が壊れるか術式自体が破壊されるまで、永久的に持続し続ける。
術胎書の魔力も、術胎書自体が精製しているために枯渇する心配もないのだ。

しかし便利な点だけではない。
術胎書自体の魔力量は決まっており、常時補給されるとしても、固定している魔術の必要魔力量が術胎書の魔力容量を越えた場合は効果を発揮しない。
術胎書の魔力容量が100として、魔術Aの必要魔力が70とした場合。
魔術Bを固定しようとしても、その必要魔力が31を越えていた場合、魔術Bは発動すらしなくなる。
また同時に固定できる魔術の数にも制限があり、現在5つまでの魔術しか固定できない。
術胎書の魔力容量以下で運用しようとしても、6つ目の魔術を固定することはできないのだ。
この数の制限は、当然のことながら既に固定している魔術を解放することで空きを作ることができる。

魔銃《Magic Gunner M686》 / 装備

左腋のガンホルダーに収められている、専用魔弾対応型回転式拳銃。
S&W M686を元に魔法理論を組み込んだ代物で、一部を除きミスリル素材に換装されている。

撃鉄、発射機構に魔方陣や呪文、魔力の連結機構を組み込んだことで、魔弾に必要な共通魔法式を導入した。
バレルにも加工がされており、様々な魔弾に対応できるようになっている。
なお、通常の弾丸も発射可能。

詠唱魔術 / 魔術

言霊に魔力を乗せ、行使する魔術。
言霊に決まった方式はなく、特定のワードと韻を踏んでさえいればアレンジは術者次第である。

魔力に方向性を付けやすい魔術ではあるが、他の系統と比べると微々たる効果しか発揮できない魔術でもある。
魔力に対し言霊を被せれば被せるほど効果もあがる特徴はあるが、それはつまり発するべきワードが増えることを意味している。
実戦での使用を考えると、詠唱魔術のメリットは事前準備も必要なく、その場で素早く魔術を行えることにある。
効果を強くしようとワードを増やすことは、このメリットと相反してしまう。
そのため、短い詠唱の中に効果的な言霊を含み韻を持たせること。
それが出来る魔術師が優れた詠唱魔術師といわれている。

また魔力に方向性をつけるという特性から、別系統の魔術との親和性が高い。
マリナの場合はよく儀礼魔術と組み合わせて使用している。

精霊魔術 / 魔術

四大属性が付与された生命力から性質と魔力を借り受け、様々な自然現象を操る魔術。
この時使われる生命力とは概念的な存在であり、意思などは存在していない。

パラケルススの提唱した万物は四属性を帯びるという理論を元に、自然現象を四属性に分けて定義。
その結果一つ一つの属性を司る概念的な存在が判明した。
その概念的な存在を精霊とし、精霊から力を借り受ける魔術としてこの名がついた。

また、これらの生命力に人としての概念・認識を加えることで、実体と意思を持たせる魔術を精霊召喚と呼ぶ。
召喚された精霊が使う精霊魔術は、借り受けるのではなく当人が振るう力。
契約者から実体化に必要な魔力さえ供給されていれば、人間が行える魔術以上の自然現象を起こすことが可能である。

精霊召喚を行うには事前に精霊と契約をする必要がある。
契約では実体化した時の性格や性質、個体性を持たせる情報を定義付ける。
精霊には元々個体が存在しないため、召喚した時の姿や性格は契約者の内面、精霊に対するイメージの影響を受けることになる。

現在マリナは四大下位精霊(サラマンダー、ウンディーネ、シルフィード、ノーミード)と契約している。

西園寺綾乃 / 人物

マリナとは魔術学校からの同期で、同い年。
人形魔術に関して類稀なる才能を持ち、既に人形魔術の最高位に存在する。
元老院のメンバーではあるが、元老院の中ではまだ一番の新参者ということもあり、発言権は少ない。
もっとも、彼女は元老院のメンバーであることを面倒に思っているため、発言しようとすることが少ない。

ウェーブのかかった長い黒髪に、アンティークドレスを纏った美人。
口数は少なく、いつもぼんやりとした雰囲気をしている。
実家は大層な資産家で、生前分与された資産だけで一生遊んで暮らせるほど。
彼女自身も人形師として有名であり、そちらの方面だけでかなりの額を稼いでいる。
マリナとは同期ということもあり、非常に仲がいい。

マリナが異世界へと逃れる時に手を貸したか、完全に理解できてない術式を作動させたため、術式が暴走。
本来はマリナと共に世界間移動をするはずが、一人別の世界に飛ばされることになる。
現在消息不明。

フォルトナ / 人物

古くはマーリンと呼ばれる大魔術師の系譜にあたる、精霊魔術師。
マリナの魔術における師であり、家を出た後の後見人でもある。
元老院に所属している、精霊魔術の最高位。

下位・上位の四大精霊を使いこなす。
精霊核の技術を生み出したのも、このフォルトナである。

マリナが異世界へと逃れる際に手を貸すが、それが原因で立場は失墜。
現在フォルトナを越える精霊魔術の使い手がいないため、元老院のメンバーからは外されていないが、発言権は皆無に等しくなっている。

魔法少女 / 人物

ここではマリナをマジカルガーデンへ導いた、銀に近い水色の髪を持つ魔法少女のことを指す。
非常に快活で明るい性格。理不尽が許せなく正義感も強い。
現在17歳(もうそろそろ18歳)だが既婚者。

元々は化物や魔法といったオカルティズムとは無縁の世界にいた。
その世界は今までこれといった世界の危機はなく、各国の戦争や紛争はあれど、少女の住む国は平和を謳歌していた。
しかし、その世界もついには『多元宇宙の危機』の対象となってしまう。
突如街を襲った危機。憤りを感じつつも無力だった少女に、一匹の自称ジャンガリアンハムスターが現れ、彼女に神の欠片を渡した。
神の欠片に選ばれた少女は、世界で唯一の"戦う者"となり、激戦の後故郷を守り抜いたのだ。

故郷を守った彼女は、多元宇宙に迫る危機に対処する方法を捜し求め、幾つかの世界を渡り歩くことになる。
その最初の世界でエルリータと出会い、彼女を使い魔にした。

魔法少女ではあるものの、彼女の魔法適性は0である。
そもそも自分で魔力を錬れないので、魔法を使うことすらままならない。
しかし自己強化と、他者に気運を運ぶ力に秀でており、更に身体能力も優秀。
かくして、神の欠片は彼女に巨大なハンマーという武器を与え、ここに魔法が使えない巨大なハンマーを振るう魔法少女が誕生したのであった。

魔術統制機構 / 組織

マリナの出身世界に存在する組織で、イギリスはロンドンに本部を置く国連組織の一つ。
魔術が明るみとなった後、混乱を防ぎ悪用されないように管理・統制をするために発足された。
新しい技術体系として注目されている魔法に関連する組織であり、各地に支部があるなど規模は大きい。
半数以上の魔術師がこの組織に所属し、研究を重ねている。

国連所属の組織でありながら、魔術統制機構を運営しているのは各国の代表者ではない。
元老院と呼ばれる、各魔法分野における実力者であり権威である人物達が集い運営している。

魔術という存在が世間に認知されているにも関わらず、魔術とは秘されるべき技術だと主張している。
ごく簡単な呪い程度のもの以外は所属する魔術師にしか伝えるべからずとし、在野の魔術師をも所属させ、管理することを決定した。
そのため魔術を使うテロ組織には厳しく、テロが発生したときにはどんな国であろうとも私設の魔術師団体を派遣、鎮圧に協力している。

なお、魔術統制機構として発足されたのは魔術が明るみとなってからではあるが、その前身となる組織は紀元前から存在していたとされている。

魔法少女支援組織マジカルガーデン / 世界・組織

多元宇宙に迫る危機を乗り越えるため、神の欠片に選ばれた少女を保護し導く組織。
またはその組織が本部を置く世界。

かつて滅んだ世界の残骸が寄り集まった世界であり、球状をしてすらいない。
不可思議な色の空間にぽつんと浮かぶ大地。それがこの世界の全てである。
規模も東京ドーム10個分と非常に小さい。

マジカルガーデンでは所有者が死亡した、または滅びかけた世界からサルベージされた神の欠片を保管している。
神の欠片は所有者を選び、選ばれた者は戦う力を得ることになる。
必然的に神の欠片に選ばれた者は戦いを強いられ、戦い方を知らぬ者や力を得たことに気づかない者が死んでいくこともある。
マジカルガーデンではその様な者を保護し、多元宇宙の実態を教え、戦う術を教えているのだ。
また、マジカルガーデンが保管している神の欠片が所有者を指し示すときもあり、その時はナビゲーターが神の欠片を持って適合者へと会いに行く。
なぜか選ばれるのは少女である割合が非常に高く、そのため魔法少女支援組織と呼ばれている。

マジカルガーデンでは組織長と魔法少女達を除くと、全て知性を持った小動物達で構成されている。
特に優秀な小動物はナビゲーターと呼ばれ、現地で魔法少女達のサポートをしたり、導いたりする役目を持っている。

マリナは巨大なハンマーを武器にする魔法少女と、そのナビゲーターによってこの世界へ導かれている。
もっとも、マリナは神の欠片に選ばれたわけではなく、世界間移動の術と魔術統制機構の目から一時的に避難する為に訪れている。
かのナビゲーターはいった。
「うーん、確かに魔力はあるけどマリナが魔法少女になるのは無理があるよ。年齢的に。」
流石のマリナもイラッとしたとか。

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